サイロ創業の先代について
サイロ 田中久雄
<<先代執筆「サイロと私」より>>「サイロ」はスペイン語で、食料庫という意味です。余剰穀物や非常時の食物の隠し場所として古代エジプト時代にまでその起源を遡ることができますが、農業用サイロとして欧米で登場するのは十九世紀後半からです。北海道においてもアメリカから乳牛の飼育法を習った明治初期から認識され、進んだ農家では大正中期からサイロを利用していました。農業用サイロは、夏の太陽を浴びて育った緑の牧草やトウモロコシを採りたてに近い状態(サイレージといいます)で保存するもので、積雪寒冷の北海道では乳牛の栄養状態を常に夏場に近いものに保つのに欠かすことはできません。私が昭和四十年(1965年)にこの店(さっぽろ南五条にあった前身の店舗)を開く時、北海道各地でとれる山海の珍味を新鮮さと素朴さを失わず、産地の味わいをそのまま堪能していただこうと思い立ち「サイロ」と名付ました。小さな店ですが、「郷土食の宝庫」として皆様にご満足いただけるように日々心かげております。店主敬白当時の「すすきの サイロ」メニューはこちら>>